会計事務所マーケティング3.0の時代
「会計事務所成功読本」 契約力の上がる実践ノウハウ集収録
皆さん、こんにちは。広瀬元義です。
今回は会計事務所マーケティングの変遷についてお話しします。
会計業界におけるマーケティングには、
今日までに3つの大きな変化があったと思っています。
まずは「マーケティング1.0」とも言うべき黎明期の時代。
これはTKC、つまり故・飯塚毅氏の愛弟子とも言える
初期のTKC会員の方々が活躍した頃です。
TKCの初期メンバーの方々は、日本でも有数の会計事務所を形成しました。
その時代の会計業界は、
せいぜい税務署の周りに看板を出し、やってくるお客様をじっと待つような
農耕型の会計事務所ばかりでした。
そうした中で、狩猟型の新しい会計事務所が産声を上げ、
新しいマーケティング手法やサービスを駆使してお客様を獲得したのだから、
昔ながらの会計事務所が勝つはずがありません。
したがって、例えば、ちょっとジャングルの中を、
武器を持ってウロつくだけで餌にありつけるように、
ちょっと積極的に営業を取り入れた人たちが
ほとんど「入れ食い」状態で顧客を拡大し、
100人規模の事務所に成長させることができました。
そして、マーケティング1.0の時代では、
誰もがサービスさえ提供できれば、
それで会計事務所を営むこともできた。
続いて「マーケティング2.0」の時代がやってきました。
コンピューター時代の幕開けとも言えますが、
この時代の主役はパソコンではなくオフコン。
いわゆる会計事務所専用機の時代です。
TKC、ミロク、JDLと言った専用機を活用すること自体が
他事務所との差別化に直結したので、
会計事務所は数百万円のオフコンを競って購入し、
導入するだけで確実に勝ち組になれる時代でもありました。
マーケティング2.0の時代は、
コンピューターによる大量生産が功を奏し、
多くの関与先に価値をもたらし、会計事務所は栄華の時代を迎えました。
しかし、2000年以降、
こうした「神話」は完全に崩壊しました。
つまり、「会計事務所専用機を使っても、
特段、他の会計事務所との差別化にならない」
ということです。
そして、これからは
「マーケティング3.0の時代」へと向かいます。
フィリップ・コトラーは、著書『コトラーのマーケティング3.0』の前書きで、
「マーケティングは、製品中心の考え方(マーケティング1.0)から
消費者中心の考え方(マーケティング2.0)に移行してきた。
今日の環境の新たな変化に対応して
マーケティングは再び変化していると、我々はとらえている。
企業は製品から消費者に、
さらには人類全体の問題へと関心を広げてきている。
マーケティング3.0とは、
企業が消費者中心の考え方から人間中心の考え方に移行し、
収益性と社会的責任がうまく両立する段階である」
と述べています。
そうした中、個々の会計事務所の生き残りのキーワードは、
「ネットワークと共生」だと私は考えています。
税理士や会計士は、すべてを自分で行い、
すべてを自分でコントロールすることを好みます。
しかし、一会計事務所で、すべてのことができる時代ではなくなったのです。
私たちアックスコンサルティングは、
多くの顧客獲得ツールを開発し、
マーケティング3.0の時代を応援していきます。
ひろせでした。