インドネシアでの研修①-大塚製薬

2009年10月23日
インドネシアでの研修①-大塚製薬
皆さんこんにちは。
広瀬元義です。
今回は、3回に分けて
インドネシアでの研修に参加して
感じたことをお話ししていきたいと思います。
一つ目は、大塚製薬さんの話。
二つ目は、ユニ・チャームさんの話。
最後は、インドネシア人と日本人の違い。
この3つについてお話をしていきます。
大前健一さん、という方がいらっしゃいますが
私はその方の会に入っていまして、
今回の研修では、40人くらいの経営者の方と一緒に
インドネシアを訪問してきました。

行ったところはバリとジャカルタです。
バリについては、正直なところ、
「バリに行って、本当に研修をやるのかな」と思っていました。

研修案内が送られてきた時、
「どうせ、現地に行ったら海に入って・・・」なんて思っていましたら
全然違いまして、本当に研修ばっかりやってきました。
大手企業の方も含めて、経営者は2代目、3代目という方が
たくさんいらっしゃいました。
大塚製薬さんの現地法人を訪問したんですけれども
、 そこで、「すごいな」と思ったことがありました。
その話をします。

大塚製薬の社長さんなんですが、
まだ40歳くらいの社長さんで、非常に若いんですね。
バイタリティ溢れる方で、威張っているわけでもなく、
非常に感じの良い方でした。
この方が、会社を育てるためにどんな工夫をしてきたか。
大塚製薬さんの現地法人そのものは、
10年以上前から、インドネシアのジャカルタにあります。
この社長さんは、当然最初の頃からいらっしゃって、
5年くらい前にやっと社長になられたそうです。

最初にこの現地法人を創る時に
何人の日本人を置いたと思いますか?
ちなみに今では、売上が一兆ルピアです。100億円ですね。
びっくりしたんですけれども、日本人を2人しか置かなかったそうです。

本社の考え方では、
「もし3人の日本人を置いたら、 お前たちはインドネシア人に相談しないだろう。
だから、2人でやりなさい。」
ということだったそうです。
インドネシア人と仕事をしていく中ですごく重要なことがあって、
「インドネシア人はバカだから」という考え方を持ってしまうと、
その時点で、すべてを断絶してしまうことになるんですね。

私なんかも、「なんだこのバカ野郎」と、つい思ってしまうことがあります。
社員に対してもそうなんですけれども
理解できない時に、
「相手がバカだから」と考えて片付けてしまおうとすることは、
その他の解決方法をすべて拒絶することで、
それ以上理解し合えない、ということなんですね。
「インドネシア人はバカだからダメなんだ」と片付けていては、
上手くいかないということです。
そうではなくて、「一緒にやっていくんだ」という前提で
解決方法を模索すると、全てが上手く回っていくという話をされていました。
また、もうひとつ大切なのは、上司は部下に対して、
自分が何に怒るかということを教えることが重要だとういうことで、
これは、本当にその通りだと思いました。

そして、「大塚製薬のことを
理解してくれる社員を育てることができたときに
大塚製薬は上手くいったんだと思えるんだ」と、
そういう信念をもってこれまで頑張ってきたんだとおっしゃっていました。
さらに、大塚製薬さんのマーケティング手法で、
なるほどと思った話がありました。

大塚製薬さんが、日本でポカリ・スエットを売りだした頃
「お風呂上がりに一杯どうですか」と宣伝していましたが、
これは、お風呂に浸かるという習慣が日本にあるから通用するんですね。
インドネシアで「お風呂上がりに一杯どうですか」と宣伝しようとしても
そもそもインドネシア人は、お風呂に浸かる習慣がありませんから、
そのメッセージが伝わらず、売れないわけです。

そこで考えたところ、インドネシアには、ラマダンがありました。
日の出から日没まで断食をする宗教的な期間です。
インドネシア人は水をたくさん飲む習慣があるとのことで、
「ラマダンの後にどうですか」と宣伝したところ、売れたそうです。
ターゲットのニーズに合ったメッセージを送る
ということが重要なんですね。
次回はユニ・チャームさんのお話しをしたいと思います。

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PROFILE プロフィールPROFILE(プロフィール)

広瀬元義
株式会社アックスコンサルティング代表取締役。1988年 株式会社アックスコンサルティングを設立。不動産コンサルティング、会計事務所向けコンサルティングを中心に業務を展開。