質問に何でも答えない【税理士コンサルタントを養成する(1)】
みなさん、こんにちは。
税理士の仕事に、
コンサルティングの要素を加えたいと考えている人向けに、
今日はお話をいたします。
さっそく本題に入っていきますが、
税理士さんが、お客さんを怒らせてしまうもっとも大きな原因は、
何だと思いますか!?
毎月何十件も、「顧問税理士さんの対応に、腹が立った」
といったお話が寄せられます。
もちろん、所長税理士さんだけではなく、
職員さんの対応も多く含まれています。
答えを言ってしまうと、
多くの税理士さんが、コミュニケーションの訓練を
していないことが原因だと思います。
これは、本を読んだ、研修に出た、という段階では、
まだ知識レベルで、使いこなせたという段階に
至ってはいないのです。
コミュニケーションの中で、
税理士の行うコミュニケーションと
コンサルタントの行うコミュニケーションは、
対応を180度変えなければなりません。
「先生、○○を経費に入れたいんですけど、大丈夫ですか?」
これには、たいていの場合正しい答えがあって、
「それは経費にはなりません!!」
あるいは
「経費にして大丈夫ですよ!!」
と、「YES」「NO」できっぱり
お答えになるはずですが、
これは何の問題もないでしょう。
ところが、経営に関する質問が来たとき
みなさんや職員さんは、
何と答えていますか?
「先生、売上が落ちてきたけど…」
「Aという商品を、なんとかしたい…」
「2年前に始めたプロジェクトが赤字続きなので、
どうすべきか悩んでいる…」
これを先ほどの「YES」「NO」を使って、
まじめに答えようとするから、お客様が気分を害してしまうわけです。
税務の問題(答えのあるもの)は、きっぱり答え
税務以外の問題は、デシジョンのコントロールでいいのです。
デシジョンのコントロールとは、
相手が意思決定しやすくなる質問を上手くやり、
相手が潜在的に持っている答えを引き出すことです。
最後の質問
「2年前に始めたプロジェクトが赤字続きなので、
どうすべきか悩んでいる…」
これには何と答えますか!?
「やめろ」も「続けろ」も言ってはなりません。
みなさんの答えを、頭に浮かべて、
次を読んでみてください。
これは私が実際に、中部地方のある経営者から受けた質問でした。
これに対して、私は「やれ」とも「やるな」とも言いませんでした。
どんな商品を、誰に、いくらで売り、赤字の原因は何か。
それを改善する手段はあるかなど、一通り聞いたあとに、
次の質問をしました。
「○○社長、もし、2年前にこのような状況になると予測していたら、
社長はこのプロジェクトを始めましたか!?」
「それは、やらんでしょう」
社長は、そう答えて、はっとした顔をして、
もう自分の中に答えを見つけたようでした。
「広瀬先生。ありがとうございました」
と固い握手をして、別れましたが、
このように、答えなくてよい質問もあるということを、
肝に銘じてください。
このようなコンサルタント養成塾を、
5月から開講しますが、
プレセミナーを以下の要領で開催します。
ぜひ、ご参加ください。
明日、アクサレディースのプロアマ大会に出場するので、 今からわくわくのひろせでした。