【Q】社員と”向き合う”とはどういうことですか?

2009年09月08日
【A】
経営者として成功するには、まず、
社員と向き合うことから始める必要があります。
社員に愛を与えることで、社員は愛を会社に返してくれるのです。

これは具体的にどういうことか、例え話を用いて解説します。
7月に出した新著『ザ・メソッド』にも書いていますが、
「ピグマリオン効果」というものをご存知でしょうか?
ギリシア神話がもとになっていますが、
自ら彫った彫刻に惚れ込み、愛情を注いだら、
その彫像が人間になったという話である。

つまり、ピグマリオン効果とは教育心理学の言葉で、
教師が期待することで学習者の成績が向上することを意味しています。
ここでピグマリオン効果の事例として、以前、
米国AAM(Association for Accounting Marketing)の大会で
スピーカーが話していたことをアレンジしてお話したいと思います。
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トンプソン先生が受けもった5年生のクラスに
テリーという男の子がいました。
彼は家が貧しくて身なりが汚く、動作もゆっくりだったので、
みんなから仲間はずれ。
学年が上がるにつれ、成績は下がる一方。
そんなテリーを見て、専制は着替えを買い与えた。
すると、いじめが少なくなった。
クリスマス休暇を迎える前日、
先生は生徒からたくさんのプレゼントをもらった。
その中に、新聞紙にくるまれて
麻ひもで結ばれただけの贈り物を見つけた。
周囲からは「きっとテリーのだ」という小声がした。
先生はテリーの包みを開けると、
中から使いかけの香水とビーズで作ったブレスレットが出てきた。
生徒たちからは笑い声がもれた。

しかし先生はブレスレットを着け、
香水を少し両手首につけてこすり合わせてみた。
「なんて素敵なブレスレットと香水なんでしょう」と
先生はテリーに向かって感謝した。

実は香水は、ちょうど1ヶ月前に突然の事故で亡くなった
テリーの母親の形見で、
ビーズのブレスレットはテリーが母親の誕生日にあげた
プレゼントだったのである。

先生はテリーの目を見て、はっと打たれるものがあった。
それから、両親がいないテリーは親戚にもらわれ学校を去った。
その後何年かおきに先生のもとにテリーから何度か手紙が来た。
その内容は
「高校を主席で卒業した」「大学を首席で卒業した」というものだった。

その後、29歳になったテリーから、先生に結婚式の招待状が来た。
当日、先生が式場に着くと、
190センチの立派な青年に成長したテリーが駆け寄り、
先生に何度も抱擁した。
「先生、本当にありがとうございました。
私は先生のおかげで今日があります」と
涙声で感謝するテリーに、先生はこう言った。
「テリー、違うんです。
私はあなたに救われました。
あなたの目を見て、私は教師のなんたるかがわかったのです」
——————————————————– この話と同様に、職員に
「あなたは素晴らしくなるよ。間違いないよ」と声を掛けると、
必ず頑張って成果を出す。
事務所をキャッシュリッチにしたかったら、
まず職員とこのように本気で向き合ってみることが重要です。

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PROFILE プロフィールPROFILE(プロフィール)

広瀬元義
株式会社アックスコンサルティング代表取締役。1988年 株式会社アックスコンサルティングを設立。不動産コンサルティング、会計事務所向けコンサルティングを中心に業務を展開。