「職員を縄で縛るか!? 縛らないか!?」、あなたならどうしますか?

2013年11月28日

みなさんこんにちは。
今日は、ルールについて考えてみます。

ある会社でのお話です。
その会社に入社すると、「簿記三級に受からなければならない」
というルールが創業当初からあり、
受からないと試用期間を延ばすという決まりでした。

その会社は、経理や会計、税務関連のソフト開発をしているため、
営業も総務も宣伝部もとにかく全員が受けて受かりましょう、
というルールでした。

「簿記は、私たちのビジネスのツールです」
というのが、その会社の社長の熱意でした。

大体の人が、三ヵ月から半年で、
簿記三級に受かるので、ルールを変更しました。

受からなくても、社員にします。

「ただし、絶対に受かるように、新人社員を動機付けてくださいね」
と社長は、幹部に言いました。

試用期間を延ばすということは、
社員は精神的にも不安定だし、給与も試用期間のままだから…
という親心からでした。

ところが、そのルールを変更してから一年。

中途社員が、14名入ってきましたが、
何と実態を見たら、受かっている人が2割にも満たない。
中には、受けてすらいないという人まで出る始末でした。

こんな話を顧問先の社長から相談されたら、
何と答えますか…..?

また元のルールに戻すのは簡単です。

自主的に社員が動ける会社を作りたいという社長の意志には反します。

この話の根底に、
「やらされ感」があったとしたら、合格はしないはずです。

社員は、いつも一生懸命仕事をしている。
ところが、結果は期待した効果を生むことができない。
やはり、根底にやらされ感が一杯だったら、成果には結びつきません。

私はその社長に、
「社員は、自分(社長)の鏡である」と話しました。

「縛ることは簡単だけど、社員の自主性を生む文化を作らないと、
変化に対応した会社を作ることはできない。
自分たちの会社が、社会の中で果たす役割はなんなのか。
社会の中にあるどんな問題を解決しようとしているのか。
こうしたことが、共有した考えとなっているのか」

原点に返って、「なぜ、簿記三級に受からなければならないのか」
この意味をしっかり社員に説くこと、幹部に説くことが大切ではないか…
と私は、アドバイスをしました。

ルールで縛ることは、体に包帯を巻くことと同じで、
自由を奪います。

「うちの職員は、意見を言わない」「なかなか新しい行動を起こさない」
なんて思ったら、一度ルールを緩めてみるのもいいかもしれません。

人づてに聞いた話ですが、勘定奉行のOBCさん。
何でも、簿記二級を全社員にとるように奨励しているようです。
うーーむ。利益率の高い会社は、やることもスマート。

ときどき「貸方」と「借方」混同するひろせでした。

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PROFILE プロフィールPROFILE(プロフィール)

広瀬元義
株式会社アックスコンサルティング代表取締役。1988年 株式会社アックスコンサルティングを設立。不動産コンサルティング、会計事務所向けコンサルティングを中心に業務を展開。