自計化って本当に良かったの!?

2014年10月08日

みなさん、こんにちは。
今日は、「自計化」についてお話しします。

自計化って、会計業界だけの独特な言葉です。
顧問先に、会計専用機や会計ソフトを導入し、
顧問先に経理処理をやってもらおうというものです。

これって、誰が考えたんでしよう?

そう、お分かりですよね。
会計事務所専用機メーカー側の発想なんです。

だって考えてもみてください。
狭いマーケットの会計事務所に
売り尽くしてしまえば、
次は、会計事務所を通して
「顧問先に売るぞー」って
考えるのは当たり前のこと。

ご自分が使っている会計専用機が少々高くても、
顧問先も同じ会計ソフトや専用機を使えば、
監査もやりやすいし、操作の問い合わせにも応じられる。

ここまでは、メーカー側も会計事務所も、そして顧問先も、
Win-Win-Winと三方良しみたいな感じでしたが、
ここで大きな誤算が生じたことに気づきました。

自計化後のサービスは“コンサル”と称して、
「経営計画策定」や「決算評価」「資金繰り」
などのサポートを行いました。

経営計画や決算のコンサルティングは、
絶対に必要なものだと思っていますが、
実際は、その対象が中小零細企業だったことに、
ボタンの掛け違いがあったのではないかと思います。

経理担当者もいて、
売上三億円以上の会社には、
経営計画も決算のコンサルティングも必要です。

ところが、
中小零細企業の、しかも売上一億円以下の会社に、
「経営計画策定」
なんて本当にいるのでしょうか?

ある、大物会計士が言いました。
「広瀬さんね。中小零細企業に経営計画とか無理だよ。
いくら言ったってやらないよ。
だからいつまでも、中小零細なんだから…」

卵が先か、ニワトリが先か、みたいな話ですが
実際、みなさんはどう思いますか?

ある先生は、
「タダで、経営計画をやっている」とおっしゃっていましたが
本当に意味があるのでしょうか?

結局、自計化によって、
税理士事務所は、錬金術を発明したとばかりに、
月次巡回税務訪問を始めましたが、
それがまた問題だったと思っています。

だって考えてもみてください。
小さい会社で、
毎月税務監査なんて本当に必要なんですか?
税理士さんが、一番得意な分野ですから
まあ、楽ですよね。

そこで、自計化の話に戻りますが、
お客様に入力させて、
職員は、毎月税務監査をやる。

私が、セミナーで言いました。

「月次巡回訪問をやらなかったからと言って、
お客様は、潰れますか?」

参加者の税理士さんは、
「潰れやしないけど…でもね…」

こんな反応です。

アメリカでは、
違うコンサルティングを始めました。

それが、経理サポートです。

11月にアメリカから実務担当者を呼んで
・どうやったら儲かるのか
・どうやったら顧問先に頼られるのか
という講演をいたします。

クラウド導入率が70%の米国シアトルから
急遽来日していただくことになった
トーマス・S・ボーン氏。

全米10位規模のモス・アダムスで
CFOとして15年勤務した後、
中小企業向けのバーチャル
経理アウトソースサービスを起業されました。

その全貌を今回のセミナーで
日本で初めて公開していただきます。

その他にもクラウドが会計業界に与える影響や
成功している会計事務所の最新事例、
先生同士が円卓を囲んで語り合う場など
さまざまな講演、企画を用意しています。

ぜひご参加いただければ、と思います。

なんか、ちょっと頭の痛い話かもしれないけど
ここで方向性を変えなかったら
この先かなり経営が難しくなるかと思います。

もう一度、これまでのビジネスモデルを見直すときかもしれません。

先週、1979年に御嶽山に登った話を書きましたが、
毎日新聞の記者から、取材の電話が入りました。

御嶽山。

多くの人が犠牲になったので、
ちょっとブルーなひろせでした。

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PROFILE プロフィールPROFILE(プロフィール)

広瀬元義
株式会社アックスコンサルティング代表取締役。1988年 株式会社アックスコンサルティングを設立。不動産コンサルティング、会計事務所向けコンサルティングを中心に業務を展開。