“見えない”会計事務所サービスを可視化する:コトラーの7P

2010年08月18日

会計事務所サービスを売るというのは、
例えば洗剤や洋服などを売るのとは違います。

皆さんのようなプロフェッショナルが売る
専門サービスというのは、
見ることも触れることもできない、”見えない商品”。

生産と消費が同時に行われるので、
買う前に試したり、後々返品したり、
ということが不可能です。

ですから、マーケティングのやり方も違います。
それにはいくつか非常に有効な手法やポイントがありますが、
その中から、今回は
コトラーが提唱した7Pというのをご紹介します。

マーケティングの4Pと、
それらを顧客視点からとらえた4Cについては
以前少しお話ししました。

4P
●製品(Product)
●価格(Price)
●プロモーション(Promotion)
●流通(Place)

↓顧客視点から捉えると…↓

4C
●顧客にとっての価値(Customer Value)
●顧客にとってのコスト(Customer Cost)
●コミュニケーション(Communication)
●利便性(Convenience)

プロフェッショナルサービスのマーケティングでは、
上の4Pに、さらに3つのPが加わります。

これらは、社長さんたちに
最終的にあなたの事務所を選んでもらうために、
欠かせないものです。

●物的証拠(Physical Evidence)
●プロセス(Process)
●人(People)

物的証拠というのは、見えないサービスを
可視化する手助けとなるものです。
例えば、事務所案内、HP、事務所通信やメールマガジン、
建物、事務所内のインテリア…。

これらのものはすべて、
「私たちの事務所はこういう事務所です」という
何らかのイメージをお客様に与えます。

ですから、一度、
「お客様にどんな印象を与えているだろうか?」
という視点から、見直してみるのもよいと思います。

プロセスというのは、
サービスを提供する過程のことです。
税務・会計業務のなかには、
どの税理士先生がやっても同じ、
というものもあるかと思います。

でも、相続対策や決算対策となると、
税理士先生によって、結果が大きく変わってきます。
そこのところが、きちんとお客様に伝わっていますか?

、というのは、サービスを提供する所長先生、
そして職員の方々のことです。

サービス内容も、料金の説明も、事務所の方針も
すべて伝えつくしたはずのに、契約に至らなかった…。
なんて経験はありませんか?

その理由は、お客様との人間関係が
まだ構築できていなかったから、
というのが大きいと思います。

“見えない商品”の場合は特にそうですが、
人は、結局のところ、
“気に入った人”から買うんですね。

物的証拠、プロセス、人
これを上手く見せていくことで、
マーケティングの成果も大きくなります。

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PROFILE プロフィールPROFILE(プロフィール)

広瀬元義
株式会社アックスコンサルティング代表取締役。1988年 株式会社アックスコンサルティングを設立。不動産コンサルティング、会計事務所向けコンサルティングを中心に業務を展開。